2020年12月5日土曜日

~1日1種紹介~ ヒメタイコウチ

 


①名称

ヒメタイコウチ  Nepa hoffmanni

カメムシ目タイコウチ科ヒメタイコウチ属

生息地域(私が確認した地域は地図で塗っています)

本州(東海~近畿地方)、四国(香川県)

朝鮮半島、中国、ロシア極東部




生息環境

池沼、水田、水たまり

環境省のレッドリスト


⑤個人的なレア度(Max6)

☆☆☆☆☆

⑥個人的な感想その他情報

体長約2cmとタイコウチを2まわりほど小さくした感じです。

見た目はタイコウチそのもので、いかにも水生昆虫という印象を受けますが基本水中ではなく湿った陸地を主な生息域としています。

水路や池のそばの落ち葉が堆積していたりミズゴケが生えるような環境で発見できます。

水深が深いと溺死してしまうなど陸生に近い水生昆虫です。

餌はワラジムシや他の陸生昆虫です。

私が飼育していた時は庭のダンゴムシを餌として与えていました。

飼育は水替えさえきちんとしていれば簡単だと思います。

翅はあるが飛ぶことはできず移動能力に乏しいため、移動方法は現在の生息地から過去の地殻変動に紐づけて考えられています。

かなり特異な水生昆虫ということをわかってもらったと思います。

生息地も限られるため珍しい水生昆虫です。

三重県と愛知県では天然記念物にも指定されています。

しかし、そもそも生息環境でもヒメタイコウチを発見するのは苦労します。

ヒメタイコウチの生息地を教えてもらったり知っていると粘って発見できますが、本種を目的に発見するというよりは他の生き物を狙ってたまたま出会うことのほうが多い気がします。

探す時期としてオススメなのは6~8月頃活発に動き回る時期で、私は4月ころ1時間ほど落ち葉をめくり続けてようやく1匹と出会えた過去があります。

寒い時期は動かないのでいても気づかないこともありそうです。

このようにまず見つけることに苦労するのでひょっとすると案外近くにヒメタイコウチは生息しているのかもしれません。

ちなみに現在は水中に含まれる環境DNAからヒメタイコウチの生息確認を行う手法も確立されてきているようです。

精度が上がれば、個体数の把握など正確にできそうですね。




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~1日1種紹介~  ニセセマルガムシ

 ※写真は撮れ次第アップします。 ①名称 ニセセマルガムシ  Coelostoma fallaciosum コウチュウ目ガムシ科セマルガムシ属